授業詳細

CLASS


ほっこりおおらかな笑い。現代に紡がれる物語「狂言」を学ぼう!

開催日時:2021年10月09日(土) 10時30分 ~ 12時00分

教室:オンライン開催

レポートUP

先生:鹿島 俊裕 / 和泉流狂言方「能楽師」

カテゴリ:【オンライン/歴史・文化/大ナゴヤの日】

定 員 :15人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※本授業の抽選は2021年9月17日(金)に行います。(抽選予約受付は9月16日(木)23時までとなります)
※授業運営の都合上、当選後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2021年10月8日(金)23時59分まで先着順でお申し込みを受け付けます。
※当授業はオンラインで実施いたします。詳細は「教室」を参照ください
あなたの周りに、「滑稽な人」はいますか?

600年以上も続く伝統芸能である「狂言」の大きな特徴は「笑い」。特別な階級の人達ではなく当時の一般庶民が登場し、今も昔も変わらない人の姿が描かれた喜劇で、だれも亡くならず、極悪人も出てこない、あたたかく、優しい笑いの物語です。

こんな時代だからこそ、「笑い」から何かを学べるかもしれません。

今回の先生は、和泉流狂言方「能楽師」の鹿島俊裕さん。大学の能楽サークルで狂言と出会い、働きながら稽古して舞台に立ち、今は狂言を生業にしています。

狂言を知って・観て・体験することを通じて、「笑い」や「日本文化」にふれてみませんか。

<スケジュール> 
10:15 受付開始
10:30 授業開始・導入
10:35 自己紹介
10:45 狂言って?
11:00 狂言を観る
11:20 狂言を演じる
11:45 ふりかえり
12:00 授業終了

【授業コーディネーター名】
大野嵩明、若尾和義
今回の授業では、和泉流狂言方「能楽師」の鹿島俊裕先生から狂言について学びます。

狂言の知識はあまりないとおっしゃる方、ゆっくり話すイメージを持っている方、能は観たけど狂言は観る機会がなかった方、能を観に行った時に狂言も観たことがある方、動画で楽しんでいらっしゃる方などが参加してくださいました。年代も幅広く、「柿山伏」が楽しかったので参加してくださったお子さんも。
参加のきっかけとして、芸人さんのラジオで狂言の話題が出たので興味を持った、日本文化を改めて勉強したいと思った、独特の表現を知りたい、周りの人に伝えたり交流を深めるための話題作りとして学びたい、という声がありました。

まずは、鹿島先生の自己紹介と、狂言の歴史の解説をしていただきました。



狂言をやっていると、「代々やっている家の方ですね」とか「小さいころからお稽古しているのですね」と言われることは多いですが、狂言師は、そういう「家の子」として育った方ばかりではないそうです。鹿島先生もサラリーマンの家庭に育ち、大学に進学してサークルで狂言を習うようになり、その後働きながら稽古して舞台に立ち、今は「狂言」を生業にしています。実は、大学生から狂言を始めたとか、習い事として狂言を始めたのがプロになるきっかけとなったという方も多く、他に仕事を持ちながら狂言師をされている方もいらっしゃるとのことです。

狂言は、日本の中で一番古い時代の演劇で、笑いをテーマにした劇、要するに喜劇です。能とは根っこの所は同じなのですが、能はシリアスな題材で、歴史上の登場人物などを描くものが多く、仮面劇という特徴もあります。それに対して、狂言は庶民の生活をテーマにしたもの。庶民と言っても、中世の頃の庶民の生活なので、現代から見たら日常生活には思えない部分はあります。

また、演劇なのでストーリー展開があり、多くは、日常風景がある出来事で崩れていって、最後にとんでもないことになります。登場人物が少ないことと、大道具を使わず、小道具も最小限というようにそぎ落とされているのも特徴です。これは、昔は人が集まる寺社などでイベントがあるときに仮設舞台で芸能披露をするため、少人数で移動する生活となり、手荷物も少なくなしていたからと言われています。

続いて「仏師」という演目を、解説をしていただきながら鑑賞。解説をしていただいたので、よく理解できました。



仏師とは仏像を彫る専門の人のことで、今でも仏師はいますが、仏像は信仰の対象となるものなので、当時の仏師は特別な存在だったそうです。田舎に住むの男が、お堂を建てましたが、仏像を作れず、都に仏像を買い求めにやってくるところから話が始まります。

ちなみに、舞台をぐるりと回って戻ってくる動作は「移動した」という意味になりに、これにより田舎から都に着いたことになるのだとか。

ここで仏師のことをよく知らないで来てしまったことに気づき、「仏像が欲しい」などと叫びながら歩き仏師を探します。ところが、それを見ていた「すっぱ(詐欺師)」が近づいてきて男に声をかけ、自分は仏師だと嘘をつきます。
※「すっぱ」とは、もともとは忍びの者の意味だったと言われ、「すっぱ抜く」の語源といわれています。


そして仏像を作るということになります。どんな仏像を作ろうと、仁王や天邪鬼を提案しますが、断られます。(ここは田舎の男が仏に関して意外に知識を持っていて、ちょっと驚いてしまう部分でもあります)今の時代も、のちの時代も守ってくれる、柔和な仏像を作ってほしいと依頼され吉祥天を提案し、これに決まります。

出来上がった仏像をいつ受け取ったらよいかと言われ、最初に3年3ケ月かかると言ったので、そんな先は困ると言われ、「ならば明日の今時分」と言ってしまいます。その理由を聞かれ、「たくさんいる弟子に頭や手や足を別々に作ってもらい、接着剤をつけて組み立てて仕上げるので明日までにできる」と返事します。詐欺師は自分が仏像のふりをすることを計画していました。

翌日の受け取りの時間になります。詐欺師が「近くにいるから悪いところがあったら自分を呼んでくれればなおします」と言います。そして、田舎の男に見られないように面を着けて仏像の姿になり、じっと動かないでいます。男が見に来て、なおしてほしいところを見つけ、仏師を呼びます。そこで詐欺師は、見られないように仏師に戻り話を聞きます。そして、なおしたと思わせるように気を付けながら、またまたこっそり仏像になります。しかし、また悪いところを指摘されてしまい、それを何度も繰り返しているうちに、ボロが出てしまいます。

謝りながら逃げる詐欺師を、「やるまいぞ やるまいぞ」と言いながら男が追いかけてエンディングとなります。

次は、狂言の所作などの体験をする時間です。
「仏師」の中から、詐欺師が、接着剤を付けて組み立てればよいことを田舎の男に説明する場面を体験しました。まず、右手を出しますが、ひじから指先までを棒のようにまっすぐに出すことが大切で、脇に接着剤の桶があることをイメージし、右手を桶の中に突っ込んでかきまぜます。左手は右の袂を持って、袖が邪魔にならないようにします。だんだん早くかき混ぜ、最後に掬い取る動きをします。



次に正面に仏像があるのをイメージして、左で1回、真正面で1回、右は真ん中、下、上と1回ずつ、全部で5回接着剤を付ける動きをします。「かたはしから ぺた、ぺた、ぺたぺたぺた」というセリフと共に、リズミカルに動かすのが大切だそうです。

最後に先生に質問に答えていただきました。生徒の皆さんが熱心に聴いてくださり、質問もたくさん出してくださいました。

【所作が不思議な感じがします】
例えばすり足などがありますが、初期の頃はしていなかったこともあったと言われています。
演技が洗練されて、上下に動くと悪い意味で目立ってしまうので、すり足になったのではないかと思われます。立ち姿は、少し前傾して面を際立たせる意味があったのではないかと思います。

【全て決められたとおりに演じるのですか?】
アドリブがあることもあります。台本に細かく書かれていないこともありますし、その時の雰囲気で言い方を変えることもあるそうです。

【予備知識は必要?どんなところで知識を得たらよい?】
あらすじくらいは知っておくと良いと思います。パンフレットに書いてあることもありますし、鑑賞の仕方を書いた本も出ています。今はネットで調べることもできます。

【ゆったり、のんびりした芸能であることについて】
テレビだとチャンネルを変えられないような、せわしない笑いのネタが必要かもしれませんが、当時は、わざわざ観に行くために出かけたのだから、ゆっくり時間が流れる芸能で良かったのだと思います。

【二人が同時にしゃべる部分で聞き取りにくくなってしまいます】
あとのストーリー展開を追えば、わかるような話をしているので、無理に聞き取ろうとしなくても大丈夫です。

【衣装やメイクに関する決まりは?】
着ているものには決まりはありますが、無地や縞模様といった指示があるくらいで、細かい柄については、指示がない場合が多いです。なので、衣装のコーディネートなどを見て楽しむのも、狂言を観る時の楽しみの一つと言えるかもしれません。


今後、狂言が気軽に見れる機会ですが、10/23(土)〜11/14(日)に開催される「やっとかめ文化祭」公式YouTubeチャンネルで3演目配信されます。とても楽しみですね。

・10/23(土)13:00〜 
「萩大名」:教養のない大名が、萩にちなんだ和歌を詠めと言われますが・・・。

・11/6(土)10:00〜
「宗八」:元お坊さんの料理人と、元料理人のお坊さんが、ある人に雇われて・・・。

・11/14(日)10:00〜
「飛越」:檀家が新発意(しんぱち)をお茶会に誘いますが、新発意が途中の川を飛んで渡る所でしりごみしてしまい・・・。

名古屋能楽堂では、毎月狂言を披露しているそうです。
今まで観たことがない人でも、一度観てみると楽しみがわかると思います。こういう解説付きの鑑賞の機会ももっと増えたらいいですね。



レポート:みやけ
写真:いくえ

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

鹿島 俊裕 / 和泉流狂言方「能楽師」

1975年(昭和50) 10月6日生まれ。名古屋大学在籍時に能楽サークル「名大観世会」入部、狂言と出会う。大学卒業後プロの道に。地元・知多半島を中心に名古屋や東京などで活躍中。狂言共同社所属。(公社)能楽協会名古屋支部常議員、東海市市民大学『平成嚶鳴館』講師。

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